全てを素晴らしく魅せる組合せ
「Black」と「Green」というのは全てのモノを素晴らしく見せる色の組み合わせなんだと思います。何故僕はこの配色に惹かれてしまうのか?真っ黒な背景に、ほんの少しだけ効かせるグリーン。このコンビネーションに出会うたびに、心が静かに高ぶる。たとえば洋服。オールブラックの装いに、グリーンのキャップやスニーカー。それだけでグッと抜け感が出るし、どこか都会的なムードになる。黒は主張を抑えた色なのに、そこにグリーンを加えることで、命が宿るような感じがするのだ。
グリーンは“自然の色”とも言われるけれど、ブラックと合わせることでそのナチュラルさがより際立つ。葉のような、苔のような、深い森のような。
どこか有機的で静かで、それでいて洗練されている印象になる。
一方で、グリーンにもさまざまな表情がある。鮮やかすぎるとポップになりすぎてしまうけれど、深いグリーンやモスグリーン、エメラルドのような濃さをもった色なら、黒との相性は抜群だ。
ブラックが“影”だとしたら、グリーンは“呼吸”。影の中に確かに存在する生命感。それがこの配色の魅力だと思う。
この組み合わせの美しさに気づいたのは、意外と遅く、30代の終わりくらいだった。若いころはもっと目立つ色や、わかりやすい配色に惹かれていた。
でも、年齢を重ねて、装いや持ち物に「抑え」と「余白」を求めるようになってから、
このブラック×グリーンの静かな存在感が、たまらなく好きになった。
たとえば時計。黒を基調とした文字盤に、針やインデックスだけグリーンで彩られたモデルを見ると、それだけで心を持っていかれる。「わかってるな」と、ひとりで勝手に感動してしまうくらい。
これはあくまで僕の感覚だけど、ブラック×グリーンって「知性」と「野生」が同居している色だと思っている。都会的でクールなのに、どこか自由で、自然体。そして“自分はこういうのが好きだ”と、静かに伝えてくれる配色。
人と違うけど、派手すぎない。
控えめなのに、忘れられない。
そんな魅力が、この色には詰まっている。
この色の魅力、きっと共感してくれる人がどこかにいると信じて、
僕は今日もどこかに“黒に差すグリーン”を探している。